常世と現世の存在理由について

常世(とこよ)と現世(うつしよ)の存在理由及び関係性について考察するブログです。

心霊と神秘世界

 

今回紹介するのは、

福来友吉博士の心霊と神秘世界

である。

この本は、福来博士の念写に関する実験内容や、福来博士の霊に関する研究、考察結果が書かれた貴重な本である。

御船千鶴子

福来博士は、東京帝国大学哲学科を卒業したのち、同大学院で変態心理学(催眠心理学)を研究し同大学の助教授として勤務していた。最初の能力者は、千里眼と言われる透視能力を持つ御船千鶴子であった。実験を重ねた結果、その能力が本物と確信し公開実験も行うが、御船千鶴子は、詐欺を疑われるなどし、ついには自殺してしまう。

長尾郁子

当初、透視の実験をしていたところ、写真乾板に何かが写っていることに気付いた。これが念写の発見である。その後、福来博士は念写実験を行うようになったが、学者やマスコミから能力を疑われ、詐欺扱いされ、結果、長尾郁子は実験を拒絶してしまう。その後、長尾郁子は風邪で亡くなってしまう。

高橋貞子

念写実験に成功する。その後、福来博士は「透視と念写」を出版するが、学長から東大教授として内容が好ましくないと警告を受けるも、福来博士は、透視も念写も事実であると主張し東京帝国大学を追放される。その後、新聞等マスコミからもペテン師扱いされ詐欺師扱いされてしまう。

福来博士の考え

本の内容に戻るが、福来博士は唯物論だけを盲目的に信じるのは誤りだと言っている。それは博士自身の日本における数々の透視や念写の実験結果だけでなく、海外における多くの念像(いわゆる霊の写真)、念動(例による物の移動)、霊の物質化(霊が形になり現れること)等に関する研究の調査結果(博士自身も海外に赴き実験を行っている)から考察した結果であり、非常に説得力のあるものとなっている。

福来博士曰く、例えば念写は、能力者が離れた場所にある写真乾板に人の顔や文字などを写し出すのであるが、これは、能力者の力だけでそうさせるのではなく、霊の力によって、そのような結果が出るとしている。もう少し説明すると、霊はいたるところにおり、能力者が念じることによって、写真乾板のところにいる霊が乾板に力を作用させ、人の顔や文字を写し出すとしている。(素粒子物理学場の理論に似ている)

博士は東京帝国大学を離れた後、高野山大学教授も勤めており、仏教と霊の関係についても深く考察されている。例えば、仏教でいう空が霊だとしている。

この本の前半は能力者の念写実験の内容や外国における霊に関する実験内容等に関する考察であり、後半は、福来博士の霊、仏教、そして念写等との関係に関する考察やこの世のあり方、更には霊や人の存在理由などとなっており、書籍の初頭には、実験に関する実際の霊の写真も多数掲載されており、非常に深く価値ある内容となっている。

ぜひとも、一読されるのをお勧めしたい。